@article{oai:showa.repo.nii.ac.jp:00000948, author = {林, 昌貴 and 奥田, 剛 and 千葉, 博 and 長塚, 正晃 and 岡井, 崇}, issue = {3}, journal = {昭和医学会雑誌}, month = {2010-06, 2019-07-26}, note = {卵巣癌は女性の死亡原因の中で最も重要なものの一つであるが、その発生、悪性化のメカニズムはほとんど解明されていない。一方、大腸癌、乳癌、肝臓癌等において癌細胞の発生や増殖が炎症と密接に関わっているという報告が多数認められている。婦人科領域における炎症は、臨床の現場においてしばしば認められ、感染は腟から子宮、さらには付属器(卵巣、卵管)へと上行する。しかし、卵巣癌における炎症との関連は報告も少なく、未だ詳細は不明である。さらに一部の卵巣癌(類内膜腺癌、明細胞腺癌)は慢性炎症類似状態ともいえる子宮内膜症がその発生に関係があるとされているが、メカニズムは不明である。Toll-like receptor(TLR)は細胞表面受容体で、病原体を感知し自然免疫を作動させ、パスウェイ下流でサイトカインを誘導することで炎症反応と関連する。ヒトでは10種類のTLRが知られており、各TLRは特異的アゴニストを認識し下流のNF-κB、IFNなどのシグナルを活性化する。そして最終的にサイトカインやケモカインを誘導し、癌増殖や薬剤耐性にも関与するとされている。表層上皮性卵巣癌の組織型は漿液性、粘液性、類内膜、明細胞腺癌の4つが多く、本研究ではこれらの各細胞株を用いて、TLRシグナルパスウェイ関連遺伝子の発現を検討し、加えてTLR特異的アゴニストを用いたサイトカインの誘導による機能解析を行った。その結果、漿液性腺癌では細菌の慢性的な卵巣への暴露によるリポ蛋白に対する反応の関与が示唆された。粘液性腺癌においても、リステリア等の感染が関与している可能性が示唆された。明細胞腺癌では生物学的特性としてTLRパスウェイ関与の可能性は低いと思われた。類内膜腺癌ではその特徴として、細菌鞭毛構成蛋白であるフラジェリンの関与が示唆された。以上より各卵巣癌は組織型により癌細胞内TLRパスウエイの性質が異なっており、これが細胞増殖などの生物学的特性に影響を与えている可能性が示唆された。(著者抄録)}, pages = {211--221}, title = {ヒト卵巣癌細胞株におけるToll-like receptorシグナルパスウェイの解析}, volume = {70}, year = {} }