@article{oai:showa.repo.nii.ac.jp:00000800, author = {東, 里美}, issue = {3}, journal = {昭和医学会雑誌}, month = {2012-06, 2019-07-26}, note = {全身麻酔下では、術後に低酸素血症が発生するが、上腹部手術ではその低下は数日にわたって継続する。このガス交換障害の成因には機能的残気量(FRC)の減少が関与すると言われている。近年、患者への手術侵襲の軽減を目的に開腹手術よりも腹腔鏡下での手術が薦められている。しかし、腹腔鏡下に上腹部手術を行うと気腹操作により横隔膜が頭側に押し上げられ、FRCが減少することが危惧される。従って、腹腔鏡下上腹部手術時のFRCの推移を、20~55歳での成人群(11症例、39.8±9.0歳)と70歳以上の老人群(9症例、70.9±3.4歳)との2群で測定し、同手術時におけるFRCの推移を検討した。麻酔の導入と維持は完全静脈麻酔で行い、麻酔導入後に気管挿管し、GE Healthcare社製Engstroem Carestationを用いて人工呼吸を行った(換気モードは量規定換気、換気条件は、1回換気量8~10mL/kg、換気回数10回/分、IE比1:2、PEEP 0cmH20、FIO2 0.5)。麻酔導入後で、循環動態が安定した後にFRCを測定し、さらに手術終了後に操作が何もない状況下で再度FRCを測定した。両群において挿管直後のFRCは2400ml前後で近似していたが、いずれも抜管直前には減少し、挿管直後値に対して推計学的有意差を認めた(P<0.05)。この術中のFRCの減少率は、成人群では14.1±7.8%であるのに対し、老人群では23.6±9.7%で減少率には両群間に有意差が認められた(P<0.05)。全症例における術中のFRCの減少率と患者背景および術前呼吸機能検査値などとの検定では、FRCの減少率と年齢、手術時間、麻酔時間およびFEV1.0%との間には正の一次式が、一方残りの4つのパラメータとの間には負の一次式が得られた。しかし、推計学的有意差を認めたのは年齢だけ(P<0.05)であった。手術侵襲が少ないと言われている腹腔鏡下上腹部手術において、術後の酸素化に影響するFRCは有意に減少した。また、その程度は老人群の方が強かった。(著者抄録)}, pages = {342--348}, title = {腹腔鏡下上腹部手術時における機能的残気量の推移}, volume = {72}, year = {} }