@article{oai:showa.repo.nii.ac.jp:00000449, author = {黒瀬, 直樹 and 佐藤, 啓造 and 根本, 紀子 and 藤城, 雅也 and 苅部, 智恵子 and 米澤, 弘恵 and 若林, 紋 and 米山, 裕子 and 加藤, 礼 and 李, 暁鵬(中内暁博) and 浅見, 昇吾 and 有馬, 邦正}, issue = {2}, journal = {昭和学士会雑誌}, month = {2013-04, 2019-07-26}, note = {病理解剖とブレインバンクについて国民の意識がどうなっているか調査した論文はみられない。本研究では剖検脳を確保し、ブレインバンクの確立を目指すリサーチリソースネットワーク(research resource network:RRN)が現行法規に抵触しないか再検討するとともに、病理解剖とブレインバンクについて一般市民、患者および家族、医学生、文系学生を対象として同じ内容のアンケート調査を行い、その内容を解析することにより現時点でのブレインバンクの倫理性について検討した。アンケート調査票はRRN研究者間で用いられているものを一部改編して使用した。アンケートは回答者の年齢・性別、パーキンソン病および関連疾患に罹患しているか否か、家族あるいは自分の病理解剖を承諾するか否か、病理解剖を承諾あるいは拒否する理由、病理解剖で標本保存した臓器・組織を診断だけでなく研究に用いることへの賛否、ブレインバンクへの生前登録の賛否について尋ねており、最も該当する選択肢を1つ選択する方式とした。一般市民は昭和大学公開講座受講の品川区民88名(回収率:68.8%)、患者および家族はパーキンソン病とブレインバンクについての市民講座受講者102名(回収率:87.9%)、医学生は法医学実習参加学生101名(回収率:90.2%)、文系学生は上智大学文系学部のドイツ語講義受講者166名(回収率:91.2%)から有効なアンケートを回収した。一般市民、医学生、文系学生のそれぞれ69%、89%、91%が自分も家族も病気でないと答えたのに対し、患者および家族は自分がパーキンソン病と答えた人49%、家族がパーキンソン病と答えた人15%であった。自分の死亡時、病理解剖を「承諾する」と答えたのは患者および家族で92%と最も多かったが、一般市民で73%、医学生で79%、文系学生で78%を占め、一般市民や文系学生では否定的意見が多いのではという予想に反し、病理解剖に対し、肯定的意見が多いことが分かった。自分の病理解剖を承諾する理由は「治療法の進歩に貢献したい」が4群とも70%以上を示した。解剖を拒否する理由は「遺体を傷付けられたくない」が4群とも50%以上を示したほか、「個人情報を知られたくない」も4群とも13~25%を示した。自分の病理解剖時、臓器・組織を診断だけでなく研究に用いることへの賛否では、自分の解剖を「承諾する」と答えたアンケートは4群とも「研究に用いてよい」が80%以上を示した。ブレインバンクの生前登録の賛否では自分の病理解剖を「承諾する」と答えたアンケートは「登録してもよい」が4群とも60%以上を示したが、解剖を「承諾しない」と答えたアンケートでは「登録してもよい」は皆無であった。今後、ブレインバンクの確立を目指すRRNを普及させるには病理解剖の意義を啓蒙していく必要があることが示唆された。いずれにせよ、病理解剖とブレインバンクについては一般市民にも肯定的意見が多いことから、両者は現時点で倫理に適っていると考えられる。さらに、法的検討から日本法医学会の異状死ガイドラインに6番目の項目として明らかな外因の関与した神経・筋疾患による死亡を追加した神経・筋疾患患者の異状死ガイドラインを作成した。(著者抄録)}, pages = {103--112}, title = {病理解剖とブレインバンクについての法倫理的検討 一般市民、患者および家族、医学生、文系学生の意識差をもとに}, volume = {73}, year = {} }