@article{oai:showa.repo.nii.ac.jp:00000441, author = {米澤, 弘恵 and 佐藤, 啓造 and 石津, みゑ子 and 藤城, 雅也 and 水野, 駿 and 小渕, 律子 and 福地, 麗 and 古谷, 卓朗 and 入戸野, 晋 and 廣渡, 崇郎 and 岩田, 浩子}, issue = {3}, journal = {昭和学士会雑誌}, month = {2013-06, 2019-07-26}, note = {今日の臨床看護現場では2003年の診療報酬改定に伴う包括払い制度の導入により入退院が増加して看護師は常に多数の重症患者の医療処置と看護を強制されることになり、過重な労働から蓄積的疲労を高めている。看護師の疲労が強ければ強いほど患者を気遣う余裕がなくなり、看護師の倫理観の低下に繋がることが予測される。しかし、看護師の倫理観と疲労との関係を調査した報告は見られない。そこで、本研究では道徳的発達段階・倫理的感受性と蓄積的疲労との関係について総合病院に勤務する看護師894名を対象としてアンケート調査を実施し、607名から全問回答したアンケートを回収し(有効回収率:67.9%)、その内容を解析することにより看護師の倫理観と疲労との関係を検討した。道徳的発達段階を調べるには葛藤価値定義づけテスト(Defining Issues Test:DIT)日本語版を用いた。DITは道徳的発達理論に基づいた倫理水準の測定法であり、DIT得点が高いほど道徳的発達段階が高いとされている。倫理的感受性を調べるには道徳的感受性テスト(Moral Sensitivity Test:MST)日本語版を用いた。MST得点が高いほど倫理的感受性が高いと判断される。蓄積的疲労を調べるには蓄積的疲労徴候インデックス(Cumulative Fatigue Symptoms Index:CFSI)74項目のCFSI質問紙を用いた。CFSI得点が高いほど蓄積的疲労が強いことを示している。CFSI得点の中央値は19点で、中央値以下は低群、中央値を超えるのは高群として2群間比較を行った。その結果、年齢が若く、経験年数の短い人ほど蓄積的疲労が強く、主任以上の職位が高い人より一般スタッフで蓄積的疲労が強かった。また、短大卒以上の人より専門学校卒の人で蓄積的疲労が強かった。看護教育を十分受け、経験を積んで看護に関する知識と技能に富む人ほど蓄積的疲労が少なかった。CFSI特性項目別に20年前の報告と比較すると、不安感が1.6倍、気力の減退が1.4倍、労働意欲の低下が1.3倍、慢性疲労、一般的疲労感、抑うつ感が1.2倍に増加していた。CFSI高群と低群でDIT得点に有意差は認められなかったことから蓄積的疲労は道徳性の発達に関与していないと推測される。CFSI高群と低群の間でMST得点に有意差があり、蓄積的疲労の強いCFSI高群の方が疲労の軽い低群よりMST得点が高く、倫理的感受性が高かった。蓄積的疲労が強い群の方で倫理的感受性が高かったことは倫理的問題の認知能力が高い人ほど看護上の葛藤が増加し、それに積極的に対応しようとすればするほど蓄積的疲労が強くなるものと推察される。看護は病人を気遣し、世話をする実践であることが裏付けられた。卒後の臨床看護研修によって病人を気遣し、世話をする実践能力を研鑽することにより蓄積的疲労を貯めずに倫理的感受性を高めることができるものと思われる。(著者抄録)}, pages = {203--215}, title = {臨床看護師の倫理観と疲労との関係 道徳的発達段階・倫理的感受性と蓄積的疲労との比較}, volume = {73}, year = {} }