@article{oai:showa.repo.nii.ac.jp:00003610, author = {井口, 暁洋 and 小西, 正浩 and 吉田, 俊裕 and 青木, 啓一郎 and 齋藤, 甚 and 神山, 一行 and 大下, 優介 and 伊藤, 純治 and 宮川, 哲夫}, issue = {4}, journal = {昭和学士会雑誌}, month = {2020-10, 2020-11-25}, note = {脊椎は複雑な形をした椎骨の数珠つながりの柱状構造物であり,その形状および配列による病態(脊柱管狭窄症,腰椎すべり症など)が存在する.外傷や加齢変化による姿勢支持機構の破綻,脊髄圧迫所見を認める脊椎疾患の病態を知るために,健常者の脊椎(椎骨)の詳細な知見が必要である.従来,解剖学的な研究では,解剖体を研究対象としてきた.このような先行研究では対象症例の年齢に偏りが存在する(40歳代までの若年層が少ない).すなわち解剖体を対象とした場合,高齢者が多く,加齢変化による椎骨の変形により,正常な脊椎アライメントが得られないことが少なくないため,研究を進めるうえで限界がある.また解剖体における計測では,任意の点や既定の軸位・面上での計測に関する研究が多い.これは椎骨が複雑な形状のため測定方法が確立されていないためである.あるいは研究目的に対して最適な計測が困難なケースもある.われわれが先行文献を渉猟した範囲では,日本人を対象とした各椎骨の体積に関する研究を見つけられなかった.また椎孔に関しては,日本人成人の椎孔の上・下面の面積についての報告があるが,脊髄圧迫という観点からは最小面積の計測が必要であると考える.これらの限界点に対して,画像データを用いた研究をすることは多くの利点がある.診療で得られた断層画像の集積であるCTやMRIの位置情報データから,デジタルデータ化した各椎骨が計測できること.また研究対象症例の年齢制限の問題を解決できること.画像解析ソフトにより理論上は高い再現性と目的に即した精度の高い計測が可能である.本研究は寸法計測ではなく,目的に即した各部位の面積や体積を計測し,腰椎の形態特徴を明らかにすることを目的とした.対象症例は,2014年6月〜7月に,A病院でCT画像を連続撮影した症例で,既往に腰椎疾患がなく,腰椎に関連した病的症状のない23〜49歳の33症例(男性18名:41.0±5.8歳,女性15名:41.3±7.9歳)である.各対象から撮影された骨条件CT画像データ解析ソフトを用いて3次元腰椎モデルを作成し,以下の3種類の計測を行った.第1項目は姿勢支持機構としての観点から椎骨体積の計測,第2項は脊椎疾患による神経圧迫の程度を推し量る基礎データとして重要である椎孔の最小面積(以下,脊柱管最小面積)の計測,そして第3項目は,椎孔の最小面積部位の縦横比の計測である.以上の結果から男女の腰椎の特徴を比較検討した.結果は,椎骨体積は男女ともに下位腰椎になるほど大きい傾向があった.脊柱管最小面積は,男性ではL5が上位腰椎に対して有意に大きく,女性は,各腰椎間における有意な差は認めなかった.また脊柱管最小面積部位の縦横比は,男性は下位腰椎に向かって横に広がる傾向があった.女性はL1-L5間で有意な差を認めないが,L5は上位腰椎に対し,横径の比率が有意に大であった.結果より,男性と女性を比べると,各腰椎体積および最小脊柱管面積は男性>女性(p<0.05)であり,男性と比べて 女性のL5椎孔の横径は大であった.ゆえに脊椎高位ごとに脊髄圧迫所見によって引き起こされる症状の重症度に男女による性別の差が現れる可能性が示唆された.}, pages = {344--351}, title = {3次元形態計測による日本人腰椎の形態特徴 —男女の腰椎椎骨体積と脊柱管最小面積について—}, volume = {80}, year = {} }