@article{oai:showa.repo.nii.ac.jp:00003405, author = {髙橋, 秀 and 大下, 優介 and 江守, 永 and 川崎, 恵吉 and 神崎, 浩二}, issue = {2}, journal = {昭和学士会雑誌}, month = {2020-07, 2020-07-10}, note = {びまん性特発性骨増殖症(diffuse idiopathic skeletal hyperostosis:DISH)は脊椎強直をきたすことが知られており,軽微な外傷でも骨折を引き起こしやすい.骨折後は偽関節のリスクも高いため臨床的に問題となっている.今回,DISHに合併した頸椎骨折を6症例経験したのでその臨床経過を報告する.2009年4月〜2018年3月の間にDISHに合併した頸椎骨折を認めた6症例を対象とした.平均年齢は72歳(50歳〜81歳)で,6症例中5症例が男性であった.受傷起点は軽微な外傷が4症例,交通事故が1症例,階段からの転落が1症例であった.前方成分の骨折部位は下位頸椎に多く,骨折部位は全症例で椎体中央〜終板部であった.骨折部位は全症例で椎体前方に中央6症例中4症例は一時的にハローベスト固定を行った後に手術にて後方固定を行い,2症例は全身状態不良のためハローベストを使用した保存加療を余儀なくされた.術前に神経症状を認めた4症例は術後も神経症状が残存した.DISHや強直性脊椎炎は,脊椎前縦靭帯を中心とした骨化により脊椎強直に至る疾患である.DISHの病因や発生機序は不明な点も多いが,年齢や糖尿病などの生活習慣病との関連が指摘されている.DISHに伴う頸椎骨折は,その他の頸椎骨折と比較し,比較的軽微な外傷で発生しやすいと言われており,Extension-distraction型の損傷形態が多い.われわれの症例でも6症例全てが伸展損傷によるreverse Chance型の骨折であった.長いLever armのために骨折部は不安定性が強いため偽関節を生じやすく,遅発性麻痺等の神経症状をきたす可能性が高い.保存療法は頸椎後方組織の損傷を認めない場合や神経症状を認めない場合に考慮されるが,現実的には3-column損傷が多く手術加療を要する症例が多い.そのためDISHに伴う頸椎骨折に対しては,早期の手術加療が推奨されている.しかし実際には,患者の全身状態が悪く緊急手術が困難であったり,インプラントの発注等に時間を要すると考えられ,同日の緊急手術による内固定は困難なケースも多い.それに比べて,ハローベストの装着には全身麻酔は不要であり,器具さえあれば簡便に装着可能である.われわれは同日の緊急手術での内固定は施行せず,ハローベストの装着が困難であった1症例を除く5症例で初診日にハローベストを装着した.全例に神経症状の悪化や遅発性麻痺の出現は認めなかった.われわれも最終的には手術による内固定を目指しているが,早期のハローベスト固定により,十分な全身検索が可能となり,綿密な手術計画を立てる時間も確保することができた.DISHに伴う頸椎骨折に対して,早期にハローベストを使用した一期的固定を行うことは,遅発性麻痺の出現や神経症状の悪化を防ぐために有用であると考えられた.}, pages = {181--187}, title = {びまん性特発性骨増殖症に合併した頸椎骨折の6例}, volume = {80}, year = {} }