@article{oai:showa.repo.nii.ac.jp:00003077, author = {濱田, 裕子 and 笠, ゆりな and 平野, 由似 and 宇野, 裕和 and 大歳, 晋平 and 中田, 土起丈 and 末木, 博彦}, issue = {5}, journal = {昭和学士会雑誌}, month = {2019-10, 2020-02-21}, note = {フラジオマイシン,ゲンタマイシン等のアミノグリコシド系抗菌剤を含有する外用薬は熱傷を含む創傷や感染性皮膚疾患の治療,術後創傷処置などに汎用されている.このうち硫酸フラジオマイシンは感作能を有しているため,アレルギー性接触皮膚炎の代表的な原因物質を網羅しているジャパニーズスタンダードアレルゲンにも含まれている.この硫酸フラジオマイシンの感作率および感作原を検討する目的で10年間のパッチテスト結果を検討した.対象は2009年5月より2018年5月までに昭和大学病院附属東病院,横浜市北部病院,藤が丘病院の皮膚科外来を受診し,硫酸フラジオマイシンのパッチテストを施行された242名(男49名,女193名,16〜92歳,平均年齢52.4,SD±18.7歳)である.パッチテストは試薬を背部の健常皮膚に貼布し,2日後に除去した.判定は貼布2,3,7日後にICDRG(International Contact Dermatitis Research Group)基準に基づいて行い,7日後に+〜+++と判定された者を陽性とした.陽性反応が認められたのは14名(陽性率 5.8%)で,男性に比して女性で高値であった(4.1% versus 6.2%).陽性者の平均年齢は61.8歳で,年代別では60〜69歳の陽性率が最も高く(9.8%),以下,50〜59歳(8.6%),40〜49歳(7.0%),70〜79歳(6.5%)の順で,40歳未満には陽性反応は認められなかった.陽性者14例中10例(71.4%)が接触皮膚炎の患者で,全例で顔面に皮疹が認められた.そのうち眼囲に皮疹が認められた8例は,いずれもステロイドと硫酸フラジオマイシンを含有する眼軟膏による治療歴を有していた.硫酸フラジオマイシンの感作者が高齢者に多いのは医療行為,特に眼軟膏によって感作が成立した可能性が高い.本邦の陽性率は米国(11.4%)よりは低いものの,ヨーロッパ諸国(2.6%)と比較すると高値で,フラジオマイシンを含有する外用薬を減少させたカナダでは感作率も著明に低下している.また,硫酸フラジオマイシン感作者では,硫酸ゲンタマイシンなど他のアミノグリコシド系抗菌剤にも交叉感作を生じうることが知られている.フラジオマイシン系抗菌剤は抗菌作用が期待されて創傷等に多用されているが,第一選択薬になる必然性は認められない.長期間の使用による耐性菌の発生に加え,外用による感作の成立にも注意が必要であり,その使用法について再考を要すると考える.}, pages = {636--641}, title = {硫酸フラジオマイシンの感作率に関する検討}, volume = {79}, year = {} }