@article{oai:showa.repo.nii.ac.jp:00003059, author = {佐藤, 綾夏 and 中村, 暖 and 徳増, 卓宏 and 小島, 睦 and 太田, 真里絵 and 大森, 裕 and 澤登, 洋輔 and 林, 若穂 and 新井, 豪佑 and 佐賀, 信之 and 森井, 智美 and 太田, 晴久 and 岩波, 明}, issue = {4}, journal = {昭和学士会雑誌}, month = {2019-08, 2020-01-28}, note = {これまでの自閉症スペクトラム障害(Autism Spectrum Disorder,以下ASD)に関する研究では,対人相互反応やコミュニケーション能力の障害を対象としたものが多く,反復的行動に焦点が当てられることは少なかった.しかし,ASDの診療上,反復的行動の診断や重症度の評価を行っていくことは非常に重要である.反復的行動尺度修正版(RBS-R)10)は,ASD患者の反復的行動の種類と重症度を評価するための尺度であり,日本語版も作成されている.しかし,RBS-Rを使用した先行研究はほとんどが小児を対象としたものであり,成人期の反復的行動についてはこれまで十分な検討がなされてこなかった.このため,今回われわれは当院発達障害専門外来に通院しているASD患者のうち成人期の高機能者を対象に,被験者本人から聴取した情報をもとに日本語版RBS-Rを使用して,反復的行動に対する評価を行った.対象は,患者群として,当院発達障害専門外来に通院中の成人期ASD患者30名(男性18名,女性12名)で知的障害のみられないものとし,対照群は,健常成人22名(男性13名,女性9名)とした.両群に対して,被験者本人から聴取した情報を基に医療者が日本語版RBS-Rを用いて反復的行動の評価を行い,各6下位尺度および全体の該当項目合計数と程度合計得点を算出した.また,ASD群における下位尺度および全体の該当項目合計数と程度合計得点を,t検定により,健常成人群と比較した.さらに,Pearsonの相関係数を用いて,ASD群における下位尺度および全体の該当項目合計数と程度合計得点について患者の背景因子との相関を解析した.ASD群と健常成人群では,年齢,性別,IQについて有意差はなかったが,教育年数については有意差を認めた.ASD群において下位尺度の中で特に該当項目合計数の割合(%)および程度合計得点の割合(%)が高かったのは限局行動で,低かったのは自傷行動であった.ASD群と健常成人群でRBS-Rの点数を比較した結果,全ての下位尺度および全体において,ASD群が健常群と比べて有意に高かった.自閉症スペクトラム指数(Autism-Spectrum Quotient:AQ)は,常同行動と自傷行動以外の下位尺度および全体の該当項目合計数,程度合計得点との間に有意な正の相関がみられた.RBS-Rの該当項目合計数および程度合計点のASD群と健常成人群の比較では,ASD群が健常成人群と比べて,有意に点数が高く,先行研究と同様の傾向であったことから,成人期ASDの高機能者に対しては,本人から聴取した情報であっても,日本語版RBS-Rが有用であることが明らかになった.また,全体の該当項目合計数と程度合計得点については,両者ともAQと有意な相関が認められ,年齢や教育年数,IQとは相関がみられなかった.これにより,成人期ASDにおいては,日本語版RBS-Rで得られる反復的行動の得点が,背景因子に左右されずにASD傾向を反映する指標となる可能性が示された.}, pages = {505--512}, title = {日本語版反復的行動尺度修正版(RBS-R)を用いた成人期ASDの反復的行動の研究}, volume = {79}, year = {} }