@article{oai:showa.repo.nii.ac.jp:00003006, author = {川野, 晋也 and 千葉, 正博 and 杉山, 彰英 and 中山, 智理 and 入江, 理絵 and 大澤, 俊亮 and 渡井, 有}, issue = {1}, journal = {昭和学士会雑誌}, month = {2019-02, 2019-08-27}, note = {稀ではあるが急性虫垂炎にムンプスやインフルエンザといった伝染性感染症を併発し,対処に苦慮することがある.今回われわれは混合感染が虫垂炎の重症化に与える影響について後方視的に検討した.2005年1月から2015年12月までに当院で手術を行った小児急性虫垂炎症例274例のうち,待機的虫垂切除7例を除く267例を対象とした.重症化の指標として虫垂穿孔,入院期間延長(>7日),術後合併症(創感染,術後イレウス,遺残膿瘍のいずれか)を掲げ,性別,年齢,body mass index(BMI),糞石の有無,術前CRP値,術前白血球数(WBC)および伝染性感染症の有無の影響について統計学的に検討した.267例中,6例(2.3%)に混合感染が確認され,その内訳はインフルエンザ4例,溶連菌感染1例,ムンプス1例であった.混合感染6例中,虫垂穿孔は4例,糞石は4例,術後合併症は2例に認めた.混合感染群では感染症非合併(対照)群と比べて有意に穿孔の率が高かったが(66.6% vs. 21.5%;odds ratio 7.32;95% CI 1.31–41.01,p=0.0243),性別,年齢,BMI,WBC,CRP値,糞石,入院期間,術後合併症率には有意差を認めなかった.対照群における重症化リスク因子の分析では年齢(≦5歳),糞石,CRP値(≧5.0mg/dl)に有意差を認めた(p<0.05).当院における虫垂炎の治療結果では諸報告と同様,低年齢,CRP高値,糞石が主な重症化因子であった.伝染性感染症の併存は穿孔の頻度を上げたが,入院期間や術後合併症の頻度には影響しなかった.これは診断に大きな遅れがなく,適正な外科介入がなされたものと推測した.混合感染群における糞石の頻度は対照群と比較して有意差がなく,伝染性感染症が虫垂炎の直接的な原因であることを示す間接的な証拠は認めなかった.伝染性感染症と急性虫垂炎の間に因果関係はなく,これらは独立事象と考えられる.伝染性感染症を合併する小児急性虫垂炎において,通常の外科介入がなされる限り,虫垂炎の経過が受ける感染症の影響は僅かなものである.}, pages = {68--74}, title = {混合感染が小児急性虫垂炎外科治療に与える影響について}, volume = {79}, year = {} }