@article{oai:showa.repo.nii.ac.jp:00000210, author = {近藤, 泰之 and 青, 暢子 and 辻, まゆみ and 小口, 勝司}, issue = {2}, journal = {昭和学士会雑誌}, month = {2016-04, 2019-07-26}, note = {Propofolは,GABA受容体を活性化し麻酔作用を示す静脈内麻酔薬である.現在,麻酔作用のほかに,脳虚血後などにおける脳細胞保護作用が注目されている.神経保護作用の機序として,大脳の代謝や酸素消費の抑制作用および酸化ストレスやアポトーシスの抑制作用が,認められているが,詳細は不明のままである.一方,オートファジーは細胞器官やタンパク質の再利用を起こす恒常性機構で,飢餓時の生存システムとして,臓器や個体の恒常性の維持に必須の生命現象である.また,オートファジーはアポトーシスのようなプログラム細胞死を調整することができ,それによりさまざまな疾患に影響する.そこで,本研究ではヒト神経芽細胞腫SH-SY5Y細胞を用い低栄養誘発性オートファジーに対するpropofolの細胞保護作用の有無とその作用機序を明白にすることを目的とした.SH-SY5Y細胞をFBS不含有培養液にて培養し,オートファジーを誘発した.Propofolは0.5µM, 1µM, 5µM濃度を,1~24時間処置した.アポトーシスの評価としてcaspase-3活性を測定し,オートファジーの評価として細胞質p62およびオートファゴソーム内LC3- II を測定した.さらにc-jun N-terminal kinase (JNK) リン酸化能および AMP-activated protein kinase (AMPK) 活性を測定し,細胞内Ca2+レベルの変動を観察した.低栄養培養液によりオートファジーを誘発した細胞は,FBS含有培養液にて培養した細胞に比べ,細胞質内p62は低下し,LC3- II の増加およびcaspase-3活性,AMPK ,JNKリン酸化を促進した.しかしながら,propofol処置は,低栄養によるオートファジー誘発で減少した細胞内p62を抑制した.さらに,オートファジー誘発により増加したLC3- II,caspase-3活性,AMPK,JNKリン酸化はpropofol処置により減少した.また,細胞内[Ca2+]iレベルはpropofol処置により減少した.以上より,propofolは低栄養誘発性オートファジーに対し,細胞内[Ca2+]iを減少させ,AMPK活性化およびJNKリン酸化能を抑制することで,phagophore形成を抑制しオートファジー誘発による細胞傷害を抑制した.Propofolはアポトーシスや酸化ストレスに対する細胞保護作用を示すだけでなくオートファジー誘発による細胞傷害に対しても細胞保護作用を示し,propofolが多面的作用を有することが示された.}, pages = {207--216}, title = {ヒト神経芽細胞腫SH-SY5Y細胞における低栄養誘発性オートファジーに対するpropofolの神経保護効果}, volume = {76}, year = {} }