@article{oai:showa.repo.nii.ac.jp:00000192, author = {加藤, 礼 and 李 暁鵬 and 熊澤, 武志 and 藤城, 雅也 and 佐藤, 淳一 and 澤口, 聡子 and 丸茂, 昭美 and 上島, 実佳子 and 青木, 武士 and 村上, 雅彦 and 佐々木, 陽平 and 古谷, 卓郎 and 佐藤, 啓造}, issue = {3}, journal = {昭和学士会雑誌}, month = {2016-06, 2019-07-26}, note = {カルバペネム系抗菌薬は殺菌性に優れ,かつ幅広い抗菌スペクトルを有し,敗血症等の重症難治性感染症の治療薬として広く使用されている.さらに,カルバペネム系抗菌薬は時間依存的な抗菌効果を示す.薬物動態(pharmacokinetics: PK)と薬力学(pharmacodynamics: PD)理論の分類においては,薬物濃度が最小発育阻止濃度(minimum inhibitory concentration: MIC)以上になるべく長い維持時間(Time above MIC: %T>MIC)を要するタイプに属する.カルバペネム系抗菌薬について人体試料から迅速かつ確実に同定・定量ならびに薬物血中濃度のモニタリング(therapeutic drug monitoring: TDM)することは,救急救命ならびに効果的な抗菌薬の投与設定において極めて重要である.本研究では,5種類のカルバペネム系抗菌薬について,順相カラムを用いた親水性相互作用液体クロマトグラフィー(Hydrophilic interaction liquid chromatography: HILIC)–タンデム質量分析(MS/MS)による簡便かつ高感度な分析法を確立した.ヒト血漿20µlに薬物を添加したのち,10mM酢酸アンモニウム溶液80µl,アセトニトリル400µlを加えて液–液抽出を行い,遠心分離した上清10µlをダイレクトに分析システムに注入した.分離カラムにはImtakt社製の順相カラムUK-Amino(長さ50mm,内径3mm,粒径3µm)を使用した.ポジティブエレクトロスプレーイオン化(ESI)法を用いた多重反応モニタリング(MRM)により5種類のカルバペネム系抗菌薬は,血漿から3.5分以内に感度良く検出され,回収率は24〜85%であった.内部標準法を用いて作成した検量線は,2.5〜100µg/mlの濃度範囲で相関係数が0.9998以上の良好な直線性が得られ,検出限界は1.25µg/mlであった.再現性(CV値)は日内変動および日間変動がそれぞれ1.6〜5.3%と2.7〜6.2%で良好であった.さらに,昭和大学医学部医の倫理委員会の承認(No.1250)を得て,メロペネムおよびドリペネム2種類の抗菌薬1gを2群2名計4名の健常成人男性ボランティアにそれぞれ投与した.得られた実際例のサンプルについて,確立した本法を用い,メロペネムおよびドリペネムのTDMを行った.メロペネムは2名とも投与後0.5時間で最高血中濃度に到達し,最高血漿中濃度は52.9および67.8µg/mlであった.一方,ドリペネムの最高血中濃度到達時間は0.25および0.5時間で,最高血漿中濃度がそれぞれ62.1および98.6µg/mlであった.本法は,20µlという微量の血漿試料を少量の溶媒を用いて希釈・遠心を行ったのち,上清をそのままHILIC-MS/MSに注入するだけの簡便な分析法であり,従来の報告に比べても迅速かつ高感度なカルバペネム系抗菌薬の分析が可能であった.しかも,定量性および再現性も良好で,実際例のサンプルを用いた高感度分析ができることが明らかとなった.本研究はヒト体液中カルバペネム系抗菌薬のハイスループット分析だけでなく,他の薬毒物への応用も期待され,臨床および法医中毒学領域において有用であると考えられる.}, pages = {369--381}, title = {HILIC-MS/MSを用いたヒト血漿中カルバペネム系抗菌薬の高感度分析法}, volume = {76}, year = {} }