@article{oai:showa.repo.nii.ac.jp:00000190, author = {中村, 裕介 and 川崎, 恵吉 and 稲垣, 克記 and 山越, 憲一}, issue = {3}, journal = {昭和学士会雑誌}, month = {2016-06, 2019-07-26}, note = {超高齢社会化が急速に進行している現在,骨粗鬆症による橈骨遠位端骨折も増加している.近年,同骨折に対して掌側ロッキングプレート(以下,VLP)による固定が行われるようになった.骨折部を強固に固定するには,橈骨軟骨下骨をスクリューで支持する必要があるが,遠位1列の穴のみの固定では,骨粗鬆症により骨質が脆弱化していたり,骨の粉砕が強い場合に,十分な固定力が得られない.Orbayらは,VLPの遠位2列の穴から固定したスクリューで,関節面の2か所を支える遠位2列軟骨下骨支持固定(double-tiered subchondral support:DSS法) を提案し,一定角度で固定するプレート (dorsal volar radius(DVR)anatomic palte:Biomet社製) を開発した.その後,固定角度可変機構を有したプレート (固定角可変プレートpolyaxial locking plate:PLP) が開発され,骨折型,骨形状の違いに関わらず適応しやすくなった.われわれはこれまで,PLPであるAPTUS2.5 (Medartis社製) を用いたDSS法の臨床における良好な治療成績を報告してきた.しかし,現在,PLPを用いたDSS法の力学的強度評価に関する詳細な報告はない.そこで本研究では,人工骨と新鮮凍結屍体を用いて橈骨遠位端骨折モデルを作成し,力学的強度試験を行い,DSS法の有用性を検討した.Osadaらの報告に準じ,人工骨SYNBONEで,AO分類A型の擬似骨折を作り,APTUS2.5を用いて1.遠位1列目の穴を4本のスクリューで固定したモデル (0群:遠位2列目無固定),2.遠位2列目の穴を1列目と平行にスクリューで1本,2本,3本固定したモデル (P群),および,3.遠位2列目の穴に背側関節面から15度の角度で打ち上げて,スクリューを1本,2本,3本固定したモデル (D群) の3群の骨折モデルを作成した.これらのモデルに対し,橈骨遠位掌側から荷重負荷し1)橈骨軸方向静特性試験,2)橈骨軸方向繰返し荷重特性試験(1,000回,2,000回,3,000回),3)曲げ方向静特性負荷試験,4)曲げ方向繰り返し荷重試験 (3,000回) を行った.さらに,新鮮凍結屍体を用いて5)AO分類C-2型の骨折モデルを作成し,遠位1列目の穴のみをスクリュー固定したnonDSS群 (NDS群) と,遠位1列目の穴の固定に加え,2列目の穴に背側関節面に15度の角度で打ち上げて,スクリューを2本固定したDSS群(DS群)との間で,静荷重負荷試験による力学的強度の比較検討を行った.1)と2)の軸方向の試験において,剛性とモーメントは,全ての固定群間に有意差はなかった.3)と4)の曲げ方向の試験において,曲げ剛性と曲げモーメントは,遠位2列目の穴を固定したスクリュー本数の増加とともに若干の増加傾向をみたが,有意差はなかった.全ての骨折モデルにおいて,対照のMonoaxial locking plate (以下MLP) 固定とほぼ同様の力学的強度を認め,ロッキング機構のゆるみ,破損を認めなかった.5)破断強度試験におけるDS群の降伏点の平均値は490Nで,NDS群の降伏点の平均値の360Nに比べて有意に高値であった.人工骨では,APTUS2.5の力学的強度はMLPと同等であり,2列目の穴を固定したスクリューの本数や角度の違いでは,固定力に有意差は認めなかった.新鮮凍結屍体では,DS群の力学的強度がNDS群よりも高く.DSS法の有用性が認められた.}, pages = {351--360}, title = {橈骨遠位端骨折モデルにおける遠位2列軟骨下骨支持固定法の力学的強度}, volume = {76}, year = {} }