@article{oai:showa.repo.nii.ac.jp:00000149, author = {阿部, 光香 and 阿久津, 靖 and 恩地, 由美 and 手塚, 美紀 and 矢幡, 由佳子 and 河村, 光晴 and 小林, 洋一 and 三邉, 武彦 and 内田, 直樹 and 小口, 勝司 and 小林, 真一 and 髙塩, 理 and 岩波, 明 and 高木, 康 and 福地, 邦彦}, issue = {6}, journal = {昭和学士会雑誌}, month = {2016-12, 2019-07-26}, note = {記憶障害・見当識障害・実行機能障害などの認知症中核症状のほかに出現する徘徊・妄想・せん妄などの周辺症状(Behavioral and Psychological Symptoms of Dementia)(以下BPSD)は,摂食障害や嘔吐・下痢・脱水など引き起こし,生命に危険を及ぼす.しかしながら一見自覚症状や身体所見が明らかでない認知症患者の在宅管理は,精神症状の緩和により,BPSD症状への進行を防ぐことが最優先され,顕著な身体的異常が出現するまで,さまざまな検査が後回しになりがちである.本研究の目的は,明らかな身体的症状のないBPSD症状のある進行した認知症患者において,血清電解質と心電図検査の異常を明らかし,血清電解質血清カリウム値・心電図異常特に突然死の原因になるQT値測定による身体的異常の早期発見の重要性を評価することであった.2014年7月から12月まで明らかな身体症状や所見のない,主に行動異常および心理症状であるBPSD周辺症状の悪化で昭和大学烏山病院認知症病棟に入院した52例(82±7歳,女性比51.9%)を対象として,入院時および入院3か月後で血液所見と心電図上の心拍数補正QT時間(QT corrected for heart rate: QTc)の変化を比較した.入院時血清電解質は,ナトリウム139±3mEq/l,カリウム4.0±0.5mEq/l,クロール104±3mEq/lであり,低ナトリウム血症(≤135mEq/l)は3例(5.8%),低カリウム血症(≤3.5mEq/l)は11例(21%)を示したが,高ナトリウム血症は認めなかった.入院時心電図上のQTc延長(≥450msec)は5例(9.6%),低カリウム血症の2例(18.2%)がQTc延長を示した.低カリウム血症の有無は,年齢,性別,生活習慣病,脳心血管障害の既往,アルブミン,BUN,Cr,BUN/Cr比,外来処方薬剤の既往で差がなかった.3か月後にはすべての患者でBPSDが改善した.入院時低カリウム血症11例は入院3か月後,血清カリウム値が平均3.3mEq/lから3.9mEq/lへ改善し(p<0.01),入院時低カリウム血症を示さなかった41例と差を認めなくなった.入院中カリウム剤投与のない50例中抑肝酸投与13例は,非投与37例に比べ入院3か月後の時点で,血清カリウム値が低値(平均3.7±0.5mEq/l vs 4.0±0.5mEq/l,p<0.05)を示した.入院時QTc間隔は抑肝酸投与の有無で差がなかったが(420±19ms vs 423±29ms,p=0.61),入院3か月後抑肝酸投与継続例で延長した(平均420msから430ms,p<0.05).明らかな身体症状のない進行した認知症患者にとって,血清カリウム値と心電図QTc間隔の異常が認められ,血清電解質と心電図検査による定期的測定評価が重要であると考えられた.}, pages = {720--726}, title = {進行した認知症患者における血液中電解質検査や心電図検査の重要性}, volume = {76}, year = {} }