@article{oai:showa.repo.nii.ac.jp:00000108, author = {品川, 丈太郎 and 小林, 洋一 and 宮田, 彰}, issue = {3}, journal = {昭和学士会雑誌}, month = {2017-06, 2019-07-26}, note = {Wolf Parkinson White (WPW)症候群のablation後,ATP急速静注による副伝導路の一過性再伝導(dormant conduction)の機序とそれが慢性期の再発の予知となるかを検討する.対象はablation後,副伝導路の完全離断を確認し,かつ,ATP投与を施行しえた顕性WPW症候群の48例,男26例,年齢42.4±17.0歳,観察期間15.6±9.1か月である.全例高周波通電を用い,アプローチ方法については,左側副伝導路は,僧房弁下心室焼灼,右側副伝導路は,三尖弁上心房焼灼を行った.副伝導路の途絶を確認後,ATPを急速静注(0.2~0.4mg/kg最大量は20mg)し,房室伝導を検討した.順行伝導の評価には,洞調律と心房ペーシング下で,逆行伝導の評価は,右室ペーシング下で行った.48例の副伝導路は左自由壁28本,左中隔4本,右自由壁13本,右中隔3本であった.全例で副伝導路は完全離断された.左側副伝導路32例中1例は副伝導路の一時的な再発が認められたが,経過観察にてデルタ波の再出現はなかった.右側副伝導路の16例については,4例で副伝導路の一過性再伝導がみられた.これらは長期観察でデルタ波の再出現がみられた.一方,ATPで再伝導がみられなかった1例もデルタ波が再発した.48例中右側中隔副伝導路の1例はATP投与で再逆伝導を認め,その他の1例は長期観察で再発を認めた.ATP単独は3症例で,2例はisoproterenol負荷下で認められた.isoproterenolの効果は,心室焼灼例で減弱し,心房焼灼の4例は増強した.Nicorandil静脈により易再発性となった.1例はAcetylcholineの静注でも再伝導が認められた.左室焼灼例の副伝導路再伝導は徐脈依存で出現し,徐脈によりablationで延長した不応期を脱したか,房室ブロックにより,副伝導路への逆行性潜在伝導が消失したことが機序と考えられる.一方,ATPで再伝導の認められた右心房焼灼4例の特徴は,徐脈依存ではないこと,isoproterenolやnicorandil負荷でATPの再伝導が得られやすくなったこと,Acetylcholine静注でも再伝導がみられたことから,ATP効果は,adenosineの作用であり,心房筋に豊富に存在するAch感受性Kチャネルを開口し,不応期を短縮したか,静止膜電位の過分極により心筋伝導を改善したと考えられた.慢性期にすべてのデルタ波が再出現したことから,再発の予測にATP急速静注は有用と考えられた.心房焼灼による副伝導路の離断の再発予知にATPによるdormant conductionの評価は有用である.}, pages = {309--316}, title = {Wolf Parkinson White(WPW)症候群の心房筋ablation後に認められるATPによる副伝導路dormant conductionの機序と副伝導路再発予知に対するその有用性}, volume = {77}, year = {} }